強制執行(断行)|建物明渡請求事件 パート10

アチーですね(涙)今日は都城市での会議に行く予定ですが、一歩も外にでたくないなぁとぐったりしているヨネですが、皆様お変わりないでしょうか?

前回までのあらすじ

前回は明渡し(強制執行)の催告を執行官が実施しました。令和◯年◯月◯日(Xデー)までに明け渡せとか、明け渡さなかったら強制執行すると債務者に通知する事です。

明渡し催告後

ということで、催告から1ヶ月弱後のXデー(強制執行を実行する(断行)日)を迎えました

世の中では、明渡しの催告されてから「これ以上迷惑はかけれない」とか「これ以上請求される額を増やしたくない」などで、自主的に退去されることもあります。ただし、今回の場合は、裁判する以前にそのあたりに力を入れて接触していたため、催告して出ていくとは全く思っていませんでした。

断行される1週間くらい前に、債務者から連絡があったかなど、執行官から状況の確認の電話がありました。まったくやり取りがない旨伝えたところ、執行官も状況確認で訪問をしてみるような様子でした。住んでいそうかどうかや話ができたら話をされようとしているのかもしれません。

催告のときにスペアキーで鍵をあけれたので、断行の時に鍵をこじ開ける必要はなさそうなのでその費用はいらないのですが、断行時に債務者のモノを全部撤去して、またその鍵で施錠しても、債務者が戻ってきて占有される可能性もあります。ということで、断行決行時間にカギ屋さんにきてカギ交換してもらうように段取りすることにしました。カギ交換は任意ですが、定石かと。

強制執行(断行)当日

強制執行予定時刻の15分くらい前に行くと、執行官立会人(執行官手配の警備会社の方?)執行補助者執行補助者が手配した作業員(4,5人)カギ屋さん、そして債権者の私。

執行補助者が準備したトラック
執行補助者が準備したトラック

現地には執行補助者が手配した大きなトラックが待ち構えています。

搬出する債務者のモノについてわかっていることは次の通り。

  • 搬出するモノの所有権はすべて債務者のままで、明渡しのため外にだす。
  • 搬出するモノでゴミと執行官が判断したものは廃棄できる。
  • 搬出するモノを保管したりするかは、動産差押の基準と違うようだ。執行官が判断。
  • 搬出するモノを一定期間(約1ヶ月)保管し、債務者が引き取りにくるのを待つ。
  • 搬出保管しているモノで引き取りにこないものは売却し、売却して得たお金は執行に関する諸費用に充てられる。

ということで、強制執行(断行)の時間になり部屋の前へみんなでGO。まず執行官がインターホンを押しピンポーンと何回か、そして玄関ドアを叩いたりして債務者の名前を呼びかけていた。いっとき反応がないことを確認されたら、執行官からスペアキーでの開錠を促されて、カギをオープン

執行官が中の状況を確認し始めた直後、催告の時にいなかった猫が勝手に外に飛び出ていってびっくり。室内に債務者は不在のようだ。催告の時に明け渡すようにうながす公示書と横に、別の書類があった。置いてあるものをすべて処分して良いという書類に債務者の署名捺印があったようだ。これで比較的用意に処分することができる。散々、債権者にプラスになるような事をまったくしてこなかった債務者だが、今回始めてプラスになることをやってくれた。

これで搬出したモノをいきなり処分できて、保管する必要がなくなるかもしれないと思った。

合鍵でカギを開けたと同時に、カギ屋さんにすぐにカギの交換をしてもらってカギを受領。

その後、執行補助者によって、マンションの入り口、エレベータ、通路等の養生そして搬出が始まった

強制執行対象の建物内
強制執行対象の建物内

それから約2時間後(ワンルームでそこそこ荷物有り)搬出が完了。室内にものがないことを確認し、執行官に促されて、強制執行の完了の確認?かなにかの調書に署名をして完了

室内の壁にあちこち穴があるは、流し台前の床は剥げまくっているは、汚れホコリはすごいはで、いったいどんな生活をしたらこのような室内になるのか想像を絶する。債務者がここに引っ越す前の住んでいる世話から、そこのアパートのオーナーから追い出されて、今回対象となった部屋に引っ越す段取りやら、入居後の家賃について、いろいろ気にかけてあげていただけに、この結果には残念なものだ。

しかしながら、これでこの部屋も再スタートがきれるのでそれなりに清々しい。裁判の申請を出して約4ヶ月と約10万円弱くらいかかった(債務者の物の搬出・保管・処分費用は別)が、汚い?グレーな?自力救済的?なことをしないで、国にお願いしてやる手間とコストを改めて認識できてよかった。今後に活かしたい。

といっても、賃貸保証会社は現在必須にしているから、引き受けてもらった賃貸保証会社が倒産してその借家人が滞納して、うんともすんともいかない時がきたらまたやることになるだろう・・・

ということで、次の募集のために、次は掃除業者を入れて、リフォーム業者をいれようとスケジュールに予定を入れたヨネでした。次は、予納金7万円で足りたとか足りないとか、搬出したものの保管とか処分とかもろもろの費用関係これからなのでまた今度ご報告いたします。アディオス(^_^)/~

私見

今回、国家権力を利用する制度を利用するにあたって、金銭的コストはしょうがないとしても、手続きのワークフローはとても泥臭いものだと感じた。改善しないと世界から取り残されるのではなかろうか。これらの司法や行政の手続きコストを抑えるためにも、まずは各個人の電子認証の利用を広げ義務化することがスタートではなかろうか。

(そういえば、Gov2.0って最近聞かないが・・・)

未来の日本の子供達が世界から取り残されないためにも、貧乏な国にならないためにも、貧乏になって戦争で富を取り戻そうとさせないためにも、各方面改善されたし。

発想は飛ぶが、日本の知を政治家に集中させるべきと考えている。(日本の知を知財にも集中させてほしいが)。政治家という職業が尊い仕事と国民から尊敬される環境を作り、政治家の報酬を上げ、素晴らしい政治家が国民やメディアで称賛され、コマけぇ失敗で袋叩きにせずに、子供達が政治家ってすごい仕事なんだなと思う日がくれば、きっと100年後も日本は存在すると思うのだがどうだろうか。アツくなりすぎた(汗)

なにわともあれ、国家権力を利用することでいろいろ経験する事ができました。これも債務者とのご縁ということに・・・