訴える前にできること|建物明渡請求事件 番外編

訴えてやる

結構 裁判ネタの反応がよかったので、番外編を描き下ろし。だいたい、そもそも裁判なんてやりたい人なんてほとんどいないわけです。時間もかかるし、精神的負担もあるし、費用もかかるし、しかし残念ながら自力救済できないので、自分の所有している部屋に対価も払わず住み続ける人を排除するために最終手段として、国家権力を使って強制執行しようというわけです。

そもそも、裁判所にいって、いきなり強制執行お願いしますと行っても動いてくれません。強制執行をお願いするためにも、裁判により正式に建物明渡してもらうべく判決をもらいたいのです。

裁判する前に、(今回の事件は家賃が低いため全力ではないものの)ある程度できる事はやったのでご紹介を。

家賃収納代行会社

滞納がちょっと溜まってきたな面倒だなぁというタイミングで、家賃収納代行会社(A)から営業の連絡あり。過去に2,3回利用して実績があったので、さくっと依頼。

手数料は30%から40%くらいだっただろうか。そこそこの割合だが、うんともすんとも行かなくて、回収できればしゃーないかなと。だいたい最終的には、払い続けるのが難しいので自主的に退居していくというシナリオが王道かと。

会社Aは、あんだけ私に積極的な営業しており、今後の実績造りのためにも、一生懸命やってくれた(はず?)ようです。しかし残念ながら、毎度の報告で進展がなかったので、お互い合意で収納代行を解約させていただきました。

会社Aも交渉していろいろ成果があがりそうなタイミングで大家さんから勝手にはお断りもできない契約内容なので要注意。例えば、一回依頼したら3ヶ月(?)は解約できないなどの条項だったかな。依頼中は、逆に大家さんにて借主への直接の回収はできない契約になってます。が、なかなか成果がでないので、今回は合意解約となりました。

連帯保証人A(兄弟)

あらゆる金銭回収のノウハウを把握していて、ほんのりグレーかかったような色に見える家賃収納代行会社Aが回収できない滞納者なので強敵なのですぐ裁判予定してましたが、ちょこっと自分でも動いてみました。

まずは、連帯保証人A(兄弟)。電話したり文章を郵送しても払わない(払えない)。一応、家賃請求の内容証明も送りました。しかーし、差し押さえれるものが全く確認できないので、裁判はありえません。

ということで、このままだと保証人としての債務も増え続けますよ、借主の部屋を明渡ししてもらえませんか?と、呼びかけ続けましたが・・・なにかアクション起こした時に、リアクションがあれば、コミニケーションがとりやすいのですが、空気みたいな神に近いような存在で、ぜんぜん前進せず・・・

押したり引いたり、アメとムチだったり、根気強くだったり、いろいろやれることがあるでしょうが、どうしても家賃が低くやる気の低迷も一因か・・・

平行して、交渉している連帯保証人Bに望みを託すことに。

連帯保証人B(親)

だいたいこのご時世、賃貸保証会社の数もサービスも充実してきている世の中賃貸保証会社を利用しない大家さんなんていないでしょう。しかし、賃貸保証会社通らない方も日に日に増加しています。通らなかったら契約しなければよいのではないか?なんて思われるかもしれませんが、そのとおりです(笑)その理由はまた別の日に(笑)

という、お客様なので(賃貸保証会社の保証が通らない)連帯保証人を2人つけさせていただきました。ということで、連帯保証人Bは親。残念ながら家賃を立替え払いできる余力もなく、差し押さえれるものも何もありません。入居申込みのときからわかっていましたので・・・一応想定内。

しかし、連帯保証人Aの兄弟と違って、さすが親です、かなり動いて頂けました(動いたフリをしただけか?)。まず、連絡とれない借主の安否確認のために(警察に立ち会ってもらったって言っていたかな?私は行ってない)中に入り、倒れていないことを確認したと同時に手紙を置いたり。

借主の友人のLINEを知っているようで、友人へ連絡してやりとりを促したり。

また、一気には払えないけど、分割して少しづつ支払う意思表示までされました。

という親の前向きな姿勢に(だまされて?(笑))期待をして、裁判するのが遅れてしまったのは大反省。その後、入院したり携帯のやりとりがしつらくなって連帯保証人Bの線もや~めたと、とりやめ。

そうそう、連帯保証人じゃなくても、滞納者の親族がわかれば、その親族に滞納の説明をすることで、いろいろ解決したことがたくさんありますので、是非ご親族へ相談を。親族の社会的地位が高ければ尚良し!別人格としてまったく相手にされないこともありますが、親族の問題を恥ずかしく感じて、もしくは親族のためという信念で処理する方が多いですね。

住民票を取得

話はもどして、請求先3人に電話だけじゃなくて、封書等にて家賃を請求させていただいてましたが、連帯保証人Bに届かなくなりました。おそらく引っ越ししたのでしょう。ということで、正式に内容証明で家賃を請求する直前に、借主・連帯保証人A・連帯保証人Bの住民票を取得しました。

市役所で借主がこれだけ家賃遅れているとか、賃貸借契約書の写しを提示(提出?)して、AとBは連帯保証人ですよと説明したり文書書いたりして認められたら、住民票を出してくれます。役所規定の費用は必要です。

住民票を確認したところ、案の定連帯保証人Bの住所が変更になっていたので、そちらへアプローチすることができました。

(以前、競売で落としたあとにまだ登記名義人は変更になっていないけど、全額払ったみたいな書面を出して役所から第三者の住民票を取得した記憶がうっすらあります。ケースバイケースでしょうかね。)

交渉(家賃免除)

連帯保証人B(親)と途絶える直前は、いついつまでに部屋を明渡してもらえれば、家賃を免除する旨提示しました。ある程度資産をもっていたり、ある程度の社会的地位があったりすると、「家賃免除」で何十万円もチャラになると思って頂けることがほとんどです。

今回の場合は、借主と交渉するチャネル(電話・職場等)が全くないため、連帯保証人B(親)とこのあたりを詰めていきました。そして、途中まで動いてくれていたが、入院等で・・・・・

最後に

もうちょっと請求額が多ければ、合えない賃借人を探偵みたいに待ち伏せとか、いろいろやりたい事はあるのですが、自分の時給に合わないため却下(笑)ということで面倒な裁判をすることに。

この三人が定職についたり、万が一資産形成した情報がありしだい差し押さえたいと思います(全く期待せずw)。ということで、私もあまり思い出したいとも思わないので、私の見えない街でがんばっていってもらいたいものです。

ということで、(夜逃げを含めて)よその街にいってまた賃貸物件を借りたりすることになる事もたまにあることでしょう。その結果、どうしても地元でない人が入居する際は、大家さん(不動産屋さん)の警戒信号が鳴り響き、引っ越し理由等に興味津々ということになります。

次から次に異なる賃貸保証会社を通しながら、家賃を払わずに全国を渡り歩いている猛者がいるようですが、賃貸保証会社も情報を共有していたり、無限に賃貸保証会社があるわけではないのでそのうち行き詰まってしまうことでしょう。

とちょー長文になって、いろんなアパートや貸家に関する人間模様を本にするのも面白いなーって、絶対しなさそうだけど考えてみたヨネでした(*^^*) アディオス(^_^)/~